憲法64条

コラム

ニュース記事から 弾劾裁判所について

ニュース内容

2024/4/3高裁判事、罷免判決 弾劾裁判所

弾劾裁判所 裁判官罷免の判決

 

この話題は憲法分野に関する事項になりますね。

 

憲法の条文

まず以下に憲法の条文を

 

第64条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。

 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

 

これなぜにこのような手続きが必要かと言いますと

第78条 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。


第79条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。

 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。

 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。

 審査に関する事項は、法律でこれを定める。

 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。

 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

 

と言う具合に司法権は立法、行政から独立しているため弾劾制度が必要となります。

 

弾劾とは

 

弾劾とは

身分保障された官職にある者を、義務違反や非行などの事由で、議会の訴追によって 罷免 し、処罰する手続き。→この身分保障された者が裁判官

 

64条2項にある弾劾に関する事項を定めた法律は

裁判官弾劾法

と言う条文にあります。

 

ところで弾劾裁判ををするのは弾劾裁判所なのは分かりました。でも誰が訴追すんの?

それは、裁判官訴追委員会が訴追します。

 

裁判官訴追委員会

国会に設置される国家機関

構成員は衆議院議員10名参議院議員10名

国会からは独立している機関とされています

 

訴追の請求

 裁判官弾劾法第15条(訴追の請求) 何人も、裁判官について弾劾による罷免の事由があると思料するときは、訴追委員会に対し、罷免の訴追をすべきことを求めることができる

 

弾劾裁判所

日憲法第64条に基づき設置された日本の国家機関

構成員は衆議院議員7名参議院議員7名

 

これ冷静に考えたらすごいですね。

検察官でもない国民の代表とされる議員が訴追して

裁判官でもない国民の代表とされる議員が判決を下すんですね。

 

いくつか問題点も含んでいる制度ではあるでしょう。

今回の判決についても弁護側にも言い分があるようです。興味のある方は調べてみてください。

 

国民側から訴追の請求→裁判官訴追委員会が訴追の判断→弾劾裁判の判決

と言う流れですね。

 

訴追件数の少なさについても議論があるようです。

1948年から2020年までで2万件以上だされています。意外な多さですね。

さらに不当判決を理由として、弾劾裁判が行われた事例は1例もない。

 

これはもっともな話で、弾劾裁判は判決内容に不服がある場合に裁判官を罷免する裁判ではないからです。判決内容に不服がある場合は日本では再審や上訴の手続きが取られてます。

 

裁判の内容に不満があるから罷免しろとは言えないという事です。

裁判官訴追委員会のホームページ内にもそのようなことが記載されています。

 

2020年までで弾劾裁判が行われたのは9例。今回の事例で10例目と言う事になるのでしょうか

 

解説しているサイト

 

裁判官弾劾裁判所公式サイト / トップページ (音声ブラウザ対応)
裁判官弾劾裁判所公式サイトホーム...

その名もずばり裁判官弾劾裁判所です。

サイト内に

裁判官訴追委員会ホームページ

衆議院ホームページ

参議院ホームページ

参議院法制局ホームページ

のリンクがあり中々面白いサイトです。

特に裁判官訴追委員会のホームページ内の

弾劾による罷免の事由 裁判官弾劾制度について 裁判官訴追委員会

この部分に司法権の独立の原則に触れている部分が有り特に重要なポイントじゃないかと感じます。

 


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